20250929

2000/09/29(金)

 
遅番と早番の間の晩に遊びに行くというハードなことをしてしまった・・・。でも、気が滅入って どうしようもなくて アナに誘われる儘 出掛けたら気分転換になって すっきりした。死期の近い人の相手をしていると どうしても色々と思い出すし、たまに波のように鬱が押し寄せてきてしまう。今は 私の実習も終わりに近く、アナとの別れも目前で、余計に精神的に不安定。ヒッピーがキャンピングカーの部屋の部分を並べて住んでいる集落で、テナーsaxとアコーディオンのコンサートがあって、それを聞きに行った。ローソクの光の中で ユダヤの音楽なんか演奏されて、とてもいい雰囲気だったよ。アナは集める情報量ももの凄いし、記憶力も抜群なので いつも驚かされる。このコンサートも、星明りだけを頼りに 畦道のような所を歩いて行ったところで催されたんだけど、「昼間に一度来た事があるから」と言って 迷いもせずに連れて行ってくれた。2箇月しかTübingenに住んでいないのに、私より余程詳しい。本人は「好奇心が強いだけ」って言うけど。私の未投句の万柳ネタに 折り紙モノがあって、その話しから「折り紙できる?」と聞かれ、あやめと鶴を折ってみせたら 即座にほどいて 考え考え自力で織り上げてしまったのには驚いた。普通の欧米人は 折ってみせると 壊さないようにそーっと持つだけで、折りあげた途端にほどく人は初めてみた。しかも折り方なんか教えないし、横で私が折るのをじーっと見ていただけなのに。

アナが日本語の本をプレゼントしてくれた。「本屋さんで見つけて、青くてきれいな表紙で興味深かったから、内容はさっぱり見当がつかないけど買ってみた」とのことで、なんと知的生き方文庫の「座右の銘」。もう、笑った、笑った。社長の心得とか経営戦略とか。如何にも日本~~という内容で、でもこちらの古本の匂いがするのにも笑った、教会の匂い。私はMちゃんちで作った ひまわりの七宝焼きのペンダントをあげた。私より絶対似合うし、私の作ったものだし。その場でつけて喜んでくれた。どうやって作るのか これまた細かく聞かれて説明して。

アナに「腕のいい外科医になりたかったら アフリカに暫く行くのが一番」と言われた。手術はいくらでもあって、外科医不足だから経験を積める、ドイツじゃ実際に手術できる迄が長過ぎる、と。その先ドイツに落ち着けることさえ決まっていればねえ。

アナに指摘される迄 全く念頭になかったんだけど、アクセントと音の高低は無関係で、それなのに私は疑問文で語尾を上げると アクセントまでくっついてきちゃうんだって。きっと 上げる、上げる、という意識が強くて、言い方も強くなっちゃうんだろうな。素晴らしい指摘で、なーーーる程、と感心した。簡単なおしゃべりは ぺろぺろっと言えるけど、自分の意見を述べる時なんかは 考え、考え、まとめながら話すから リズム感が悪くなって 発音も乱れがち。病院の人はみんなじっと待って聞いてくれるけど、大学の子なんかは 待てなくて 聞いてくれない子も沢山いる。くすん💧

耳栓を買ってきて着用してみたら とてもよい。圧迫感はあるけど、眠りや集中を妨げられることに較べれば全然平気。もっと前に買えばよかったな。

こちらでは 誕生日やお別れの時に 本人がケーキなど焼いて持って来て、みんなで食べる。(誕生日パーティーも自分で開いて招待する) 今日はアナの最終日で ケーキを焼いてくると言っていたので、私もおにぎりを作ってみた。私も残すところあと夜勤だけで、みんなと一緒に働くのは もう終わってしまったので。具はマッシュルームの缶詰をお正油でつくだ煮にしたものにして、御飯には昆布茶をちょっと混ぜて炊いてみた。最初は鮭おにぎり、と思ったんだけど ベジタリアンもいるから やめた。かなりうけたよ。寮の子にもお裾分けしたら 作り方を聞かれて、「作ってみる」と言っていた。

午後はアナと一緒に街に出掛けた。Neckar川のほとりの芝生に座って 患者体験したりして。何かと言うと、寝転んだ状態から水を飲んでみる、とか 自力で寝返りをうてない人を寝かせる時の姿勢というのが決まっているんだけど、その寝方が実際に楽かどうか、とか・・・。
看護婦さんで誰の接し方がいいか、という話しになって、「私はどう?」と聞いたら、「幸子は患者さんに好かれている。それが一番大事なことだから 議論の対象じゃない」と言われた。また、「私は幸子が批判的な目を持っているのを知っているけど、それをもっと表現した方がいい。どんどん批判をした方が自然だ。」とも言われた。日本の社会で身にしみこんでいる習慣は なかなか急には変えられないね。

* * * * *

ああ、アナ!今、どこで何をしているんだろう。きっとキラキラ輝き続けているに違いない。会いたいなあ。



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20250926

番外 病院の1日

 
早番
4:45 
起床 軽く柔軟と朝食(ヨーグルト+ミューズリ位)

5:20
出勤 徒歩25分 真っ暗な中を懐中電灯をつけて歩く。セーターを着ても寒い。

6:00
始業 コーヒーを飲みながらひきつぎ。

6:30
私は大体4、5人の担当になる。カルテを見て 特別にする事があるかどうか確認。自分の担当する患者さんが その日検査があるかどうか、あるなら朝食をとってもよいかどうか、何時の検査か、等々も大事。
まず部屋に行って挨拶。古いグラスを片付けて 新しいグラスを置く。ミネラルウォーターがまだ充分残っているかどうかも見る。水分の摂取量を記録している人の場合は 前日の記録用紙を片付け、数量を合計してカルテに記入。新しい用紙を置く。日めくりをめくる。(日付を意識させる)
検温、血圧や脈拍の測定、人によっては体重やSPO2の測定。高熱の人は腸で検温。
自分で身仕度のできる人は 洗面台まで連れて行って 自分で身体を拭いてもらう。背中や足は手伝う。自分で出来ない人は顔から足先まで拭いて、着替えさせる。香油を塗る。入れ歯をはめる。
ベッドメイキング。汚れていたらカバー、シーツ等交換。おむつも昼間は小さいめのにして 尿器などで訓練する。ベッド横のテーブルをきれいにする。前日のピルケースを片付け、新しいピルケースを置く。髪をとかす。窓を開ける。
全部済んだ部屋に朝食を運ぶ。人によって パンの耳を落として バターやジャムを塗って 小さく切って準備してあげたり、コーヒーを吸い飲みに入れたり、或いは あーんと食べさせたり。
朝食を下げる時は 薬をちゃんと飲んだか、水分の摂取量を記録している人には何を何cc飲んだか書き込む等 気を付ける。

8:00
交代で30分間の休憩。(食堂でビュッフェの朝食)

9:30
糖尿病の人にはヨーグルト等 2回めの朝食、とよばれるもの(糖コントロールの為)、普通の人にはバターミルクを配る。患者さんとしゃべったり、何かして欲しい事がないか聞きながら 全室まわると 1時間はかかる。

この間あいている時間に 台所を片付けたり 洗濯物袋がいっぱいだったら交換したり 寝たきりの人に何か飲ませにまわったりする。
台所は各階に小さいのがあって、グラスや午後のお茶用のカップ、お皿などはここで扱う。自分たちのコップもお水もここ。3度の食事だけ病院の食堂が扱う。食器は食器洗い機で高温で洗う。

11:00
昼食(患者さんの) 朝と同じ要領。

12:00
食事の車を食堂へ運ぶ時に患者さん用のコーヒーとケーキを取って来る。

12:40
遅番出勤。ひきつぎ。早番のときは このひきつぎは聞く必要がないので 各所のチェックにまわりながら ナースコールがあったら とんで行く。

1:20
終業。食堂で昼食。

遅番
1:30
患者さんの午後のお茶を配る。コーヒー、紅茶(カモミール、ミントティー等々各種ある)、ミルクは?お砂糖は?ケーキは?と聞きながらまわる。糖尿病の人には糖尿病用のケーキ。
自分で食べられない人には食べさせてあげる。
寝返りを自分でうてない人には3時間毎とか決めて 寝返りをうたせているので その記録もある。
お茶のために座らせたら記録して、お茶が済んだら また寝かせて記録。


3:30
自分達のお茶を用意して 30分間の休憩。

5:00
患者さんの夕食。

6:00
就寝前の身仕度。入れ歯をはずして洗う。口もゆすげる人はゆすがせる。ゆすげない人はガーゼに薬をしませて 口の中を拭く。顔や手を拭く。香油を塗る。着替えさせる。必要な人は各測定。
おむつをつけたり、ベッド横に尿器やポータブルトイレを置く。水が充分あるかどうか確認。ゴミ箱もいっぱいだったら空にする。(夜勤の人のために)
糖尿病の人にミルク状の飲み物を配る。

8:00
終業。夜勤出勤。


患者さん達の心の落ち着きのために 看護婦は走っちゃダメ。ドアを閉める音にも要注意。
新しい患者さんがくると「実習生のサチコです。看護婦じゃないけど して欲しいことがあったら 何でも言ってね」と握手して挨拶。
部屋をまわってお茶を聞く時なんかでも 必ず手は握る。
「具合はどう?」と聞く。ちょっと笑わせてみる。
患者さんが冗談を言ったら 遠慮なく大笑いする。
何があっても「Kein Problem! (No problem!)」と片付ける。
少しでも歩くようになったり 食がすすんだりしたら 誉めまくる。驚いてみせる。
でも、泣いている人を慰める時は真剣に。
肩を抱いて ゆっくり話しを聞いてあげる。落ち着いたら熱いお茶でも持ってきてあげる。

* * * * *

各病室にはシャワーもあって、「今日は〇〇さん」など、順番にシャワーを介助したり。シーツ交換も決まった曜日にするのだけれど、目に見える汚れがあれば、勿論その都度交換する。


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20250924

2000/09/24(日)

 
まがりなりにも原書が読めるようになってきたのに ほっとする。今迄は日本語訳を読んでから原書に挑戦していたから、いきなり原書を読むのは結構どきどきものだった。まだまだ理解度は低いし スピードものろいけど、一応ストーリーはわかるし面白いなあと思うし、日本文学だって いざ説明しろと言われれば知らない単語はいっぱい混じっているんだし、こんなもんでしょう。今日は数十ページ読んで、今 半分位のところ。周囲のスピードについていけない子ども(John Franklin)が 速度のかわりに大事なものを身につけていく話しで、自分と重ねて読んでしまう。


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20250922

2000/09/22(金)

 
実習期間が残り少なくなってきて、「幸子がいなくなるのは残念。困る」「幸子なしじゃカオスだよ」などと看護婦さん達に言ってもらうと とても嬉しい。朝 真っ暗な中を出勤していくと「ほら、太陽がきたよ」なんて言ってくれる人(←看護婦さん)がいて、その人と今日話しをしていたら アナと私は 全然他の実習生とは違うって。アナも半年間 アフリカの病院で下働きしているからね。私も看病したことがある(看取ったことがある)のを感じる、患者さんに対する接し方が全然違うって。
例の唸ってばかりの患者さんに 今日 また歌いながら朝の身仕度をしていたら、「素晴らしい」「どこでその歌を覚えたの?」などと話し始めて、嬉しい驚きだった。野バラとか 菩提樹とか 五月の歌とか 私の知っている僅かなドイツの歌だけなんだけどね。もう会話はできない、と殆どの人に見做されていた位の人だったから 嬉しかった。勿論ぽつぽつの話し方だけど。
面接の時に「次のお休みに延ばした方がいいんじゃない?(←語学力の面で)」と言われた位だったけど、コミュニケーションはやっぱり心だよね!

アンディと、同じ寮の別の階のアメリカ人ティムと3人で 死を扱った詩、文学の朗読を聞きに 夜 教会へ行った。うーん、でもやっぱり いまいちだった。いくら死を目前にして書いた詩でも、死を未体験な訳だから どうもピンとこない。みんな表現が似かよっているし。やっぱりこのテーマはノンフィクションにはかなわない。

病院でも、ちゃんと昼間通ってくる仲良し夫婦、家族というのはいるよ。見ていて嬉しくなる。でも、家族が来なくても 別になんとも思わない。来られる状態にある人は幸せ、恵まれている、と思うだけ。医療者側があれこれ口出しする立場ではないし、家族が来られないことを前提としてお世話するのが入院というものなんだし。
アンディに病院での仕事を話したら、「そんな事までするの?」と目を丸くしていたから、アメリカはまた違うんだろうねえ。また時間がある時にゆっくり聞こう。実習もあと昼間3日と その後夜勤7晩で終わり。アナももうすぐいなくなっちゃうし、淋しいよー。

* * * * *

日本で祖母を看取った時、家族の付き添いというものが前提であったり、毎日大量の洗濯物を持ち帰らなければならなかったり(当然、帰宅してから夜遅くに洗濯)、本当に大変だった。オムツでも吸い飲みでも、各自が買って、戸棚に置いておかなくてはならなかったり。シーツは病院のものを使えるけれど、その上に家から持って行ったバスタオルを敷き、それがオムツ交換の度に汚れて、どんどん洗濯物が増えたり。

このドイツの病院で、洗面用具と着る物以外、全部病院のものを使うというやり方を経験して、凄く感動した。
週末しか家族が来られない事も多くて、そういう人の戸棚には、ピシッとアイロンをかけたネグリジェが数枚きちんと積んであったりして、「アイロンかけてある!」「こんなに枚数持っているんだ!」と、いちいち驚いた。


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20250921

2000/09/21(木)

 
今日ははっと気付いたら 何とケーキを5切れも食べていて青ざめた。午前中、出勤前に2切れ分の大きさのを食べて、出勤したら ケーキを焼いてきた人がいて、2種類あったので1切れずつ、そして就業前に空腹のあまり また1切れ。いくら小さい切れだからと言って・・・💧 無意識にそれだけ食べているあたりが怖いね。以後気を付けよう・・・。(午前中の分を忘れて 3切れだと思って食べていた💦)


* * * * *

当時は、患者さんにも従業員にも、午後のお茶の時間にケーキ(天板いっぱいに焼いて、生クリームなどは使わないタイプの)があった。
更に、誕生日などで焼いてくる人がいたり、患者さんの家族から差し入れがあったりで、ケーキは毎日食べていた。

 

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20250920

2000/09/20(水)

 
アナを訪ねて一緒にオリンピックを少しだけみた。アナは水泳と体操が好きという これまた好みがぴったりで、二人でああだこうだ言いながら見た。体操もう日本人の影も見えないねえ。水泳はコースの端の方に時々いたけど。

寮にアンディというアメリカ人の独文の学生が入って来た。本、音楽、文化の話し等々はずんで かなりしゃべくりまくった。やっぱりたまにはこういう話もしたい。アンディはあまりアメリカ人~~というタイプではないけれど、しゃべった後 気分があっけらかーんと明るくなるあたり、やっぱりアメリカ人。

日に日に秋が近づいてきて、朝7時でも お天気が悪ければ真っ暗。木の葉も黄色くなって落ち出したし 蔦もいつの間にか赤くなっているし。日本の残暑みたいに夏が自己主張しないから、えっ?これでもうおしまい?という感じ。

病院に実習生とはちょっと違う、学校を出てから半年間、或いは1年間 自由意志で奉仕(?少しはお金ももらうから ボランティアとは違う)する子達がやって来た。私達の階には ドイツ人2人とチェコ人1人。早速 Ahoj! Jak se máte? (Hello! How are you?)とやってるよ。ドイツ人の子に Thorax ←ラテン語 って何のこと?と聞かれて Brustkorb(胸部)、と答えられたのは 少しだけ誇らしかった。

名古屋の洪水 凄かったんだねえ。全然知らなくて、あちこちから「私は大丈夫だよ」というメールをもらって 何のこと?とキョトンとしていた。新聞どうも有難う。写真は下手だねえ。11階だと万一、ということもないから その点は安心。MOVEも避難済だしね。

* * * * *

アナは実習の期間、病院の寮に住んでいて、確かこの時アナは連続夜勤で、病院で会わないので、アナが起きるタイミングで寮に寄ったのだった。そこの共同の居間にテレビが置いてあって、丁度オリンピックの水泳をやっていた。

家族ぐるみでお付き合いしていたチェコ人の友人夫婦がいて、彼らにはチェコ語しかできない親戚もいたので、ほんの数文だけれど、覚えたのだ。


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20250919

2000/09/19(火)

 
今日はお休みで一大決心をして 遂に証明写真を撮りに行った。学期が始まるとまたやつれるかと思って 撮るなら今だ、と。肌なんかよく見るとやっぱり老けてるねー。太った? 自分ではどんな顔してるかわからんので 感想聞かせてね。肩の位置、洋服のひっぱり具合、髪など細かく直されて出来上がり。髪は豊かであることを見せた方が素敵なんだって。医学部生って顔してるー?



ー悲劇190900ー
お休みなので御飯を炊いた。もらった かつおぶしとお正油をかけて・・・んー、かつおぶしは ちょっと古いにおい・・・そう言えば すりごまも もらったなあ、あれも古くならないうちに・・・と たっぷりかけて・・・んー、この立ちのぼる香り・・・ん?これがゴマー?コショウやんかーっ 嘘つきー💦 流石の私も一杯でgive upという辛さ。頭痛がしそう、具合悪くなりそう、で途中でやめた。教訓:もらったものは自分の目でよく見て確かめよう。ひーん💦
昔 Aちゃんからもらったラーメンがめちゃくちゃ古くて吐きまくったのに次ぐ悲劇。

ーーーーーーー

Voltaireの「Candid」を発見。日本で手に入る文庫は訳が下手だから、ドイツ語訳の方が余程いい。アナに教えてもらったSten Nadolnyの「Die Entdeckung der Langsamkeit」も発見。凄くきれいなドイツ語なんだよ。物理の本とは一味違う(笑)。

* * * * *

ヨーロッパで初めて見て大感動したのが、証明写真。今みたいにデジカメで自撮りとかしない時代だったので、こういう風にポージングして素敵に撮って貰えるの、是非やってみたかったの。


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20250918

2000/09/18(月)

 
絶えずおあーおあーと唸っていて話しが通じない人がいるんだけど、身体を拭く時に歌ってみたら 段々静かになって、最後入れ歯をはめる時には「入れ歯の上を入れますよ」と言ったら「Ja(うん)」と返事をして ちゃんと口を開いてくれた。こういう風にうまくいった時は本当に嬉しい。

アナとキューブラー・ロスの話になって、アナが「絶賛する人と けなす人と両極端」と言うので 「最初の本は一般的に評価されたけれど、死後の世界云々にのめり込んでから離れていった人が多いんだ」と言ったら その経過を知らなくてびっくりしていた。「幸子は死後の世界とか 魂が抜けだして飛ぶとか 信じる?」と聞かれて 「科学的に証明されれば信じる」と答えたら、「それは信じる(glauben)んじゃなくて 知る(wissen)んだ」と言われた。信じるというのは いつも 確かでない事に対してなんだって。(アナは信じないって。)ドイツ語らしい区分だよね。

アナは日本について全く知らないから面白い。今迄考えたこともない視点でつっ込んでくる。仏教についても、ブッダは神じゃない、神がいなくて何故信じることができるんだ、何故それが宗教になり得るんだ、生き方の教えだけなら 宗教じゃなくて普通の本から学べるじゃないか、と。アナはヨーロッパとアフリカしか知らないから、狩猟民族と農耕民族の違いも何の事?という感じ。


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20250916

2000/09/16(土)

 
姉妹都市のお祭りで、フランスとイタリアの市がたって見に行った。おいしそうなものが山ほどあって、日本でのことを思えば夢のような安さなんだけれど 今の私にとっては やっぱり高くて 買わなかった。病院で食事は間に合っているからねえ。
その後アナと本屋さんめぐりをした。アナとは本の趣味が合って楽しい。ヘッセの話になった時、ヘッセが好きかと聞かれて 2、3の作品は凄くいいと思うけど あとはあんまり、と言ったら、どれが好き?と聞かれ、「デミアン」「そう!やっぱり あれだよね!」「荒野のおおかみは?」とまた聞かれ、「2番目に好き」「そうそう!」 「シッダールタは?」「あれはあんまり。ナルチスとゴルトムントの方が好き」「やっぱりそうだよね」と すっかり意気投合。
アナはソルジェニーツィンを知らなくて、私がイワンをみつけて「これ」と教えてあげたら即買うので びっくりした。「幸子がいいって言うから 買ってみる」と。アナに素敵なドイツ語の本をいくつか教えてもらって、その時はみつからなかったけど みつけたら是非読んでみよう。お互いに朗読しあったりして楽しんだ。アナは読み聞かせが凄く上手。




売り物の帽子とマフラーを試着しているアナ。フランス語圏のアフリカにいた事があるので、市でフランス語を話せるのが懐かしくて、喜んでいた。

病院でストレスをためて働くか 楽しく働くかは 結局本人次第。例えばナースコールでとんで行って「この角砂糖を半分に切って」と言われたら、この忙しい時に!!キーッ!!と反応することもできるし、笑い話しとして同僚に「あのね、さっきね・・・」と話して 爆笑することもできる。薬を飲ませたくても口を絶対開かない人に 力ずくで口をこじ開けることもできるし、策略でうまく口を開かせることもできる。(これはやってみたら なあんだ、という事なんだけど、大口開いて「Ahーーー」と言ってみせると つられて「Ahーーー」と ぱっくり口を空いてくれる。あまりにもうまくいって 笑えて仕方がなかった。しかも何回でも通用するの。二さじめは駄目かと思ったんだけど、何さじでもO.K.) 



ナースコールしておいて何が頼みたかったのか忘れちゃうひともいるし、「Hilfe mir(助けて)!」と言うから 一体何をしたらいいの?と聞いたら「・・・etwas gutes(何かいいこと)」とか。楽しくて仕方がないけど、ナーバスになっちゃう看護婦さんもいる。(新しい子は特に) 私なんか帰り道に 思い出し笑いしちゃう位だけどなー。


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20250913

2000/09/13(水)

 
病院の遠足でスイスへ行った。ボーデン湖。日帰りの社員旅行みたいなもんね。
病院は休めないから3回に分けて順番に行くの。楽しかったよー☄  水族館にも入ったけど、Boden See(ボーデン湖)~Rhein(ライン川)~Nordsee(北海)という水族館で 淡水魚が殆どで きれいなのはいなかった。でも、エイってひょうきんだね。水面に顔出して 立ち泳ぎとかしてるのは 人間を眺めているんだって。ちゃんと見分けるらしい。あと嗅覚も鋭いし、電磁場も感知するんだって。知らなかった。
古い町並みを歩いて、Caféに入って Apfelstrudelを食べて、船にも乗って・・・。


本当はアナも来る筈だったのが Marburgへ入学手続きに行かないといけなくて来ず、ビルギットとマーグレットという同じ階の看護婦さんと一緒に行動した。(階毎にStationが分けられている)
いろいろ話していたら、こんな素敵な病院でも 看護婦不足なんだって。お年寄り相手で肉体的にキツいから。医者はどこでも過剰なのにねえ。就労ビザさえあれば 看護婦になって一生ここで働いてもいい、と思っちゃう位の病院だけど、そう思うのは私は日本の「職場」とか「病院」に慣れてしまっているからなんだろうねえ。こちらの人にとっては 確かにいい病院だけど、そんな感涙、という程じゃないみたい。キツいのは確か。お年寄りと言っても大半は太っているから 動かす&支えるのは大変。・・・でもねえ、本当に働くことが「喜び」なんだよ。てっきり働きたい人が押し寄せているんだと思っていた。考えられん。


まがりなりにも「御飯」が炊けるようになると ふりかけが欲しい。こちらのパラパラライスならスープやソースと合うけど、ねちっとした御飯にクリームソースなんか かける気しないもんねー。一度正にチャーシュー、というハムを食べたことがあるから、あれを刻んでお正油たらしたら いけるかも。卵が新鮮だから卵御飯もいいかも。でもお茶碗もおはしもない。

兎に角今は食べ過ぎて 胃が疲れているだろうなー、と思う。晩御飯でも 今迄は空腹が満たされるとやめていたのに、今は病院で毎日 晩御飯用のパン、ハム、チーズ等一包みもらうから一包み食べちゃう。お昼もお腹がすかないように たっぷり食べるし。それでも仕事が終わるころにはもうキューーーッ⤵  という位 お腹ペコペコになっちゃう。休憩にはケーキ食べるし、早番の時は朝ごはん 家と病院と2回食べるし。名古屋ではいつも盛り切りで 小食だったのになー。

* * * * *

この時はまだ医者過剰で、就職はかなり難しいという見込みだった。
医者になるのは医学部で、お金を稼がない大学生なので、席さえあればビザは下りる。看護婦になるのは職業訓練校なので、看護学生のうちから給料(少ないけれど)が出るため、就労ビザが必要。
そしてこの実習は無給なので、三食ごはん付きだった。

お肉屋さんで、切り落とした端っこを山にして安く売っていて、一枚一枚違うのが混じっているのが丁度良くて、私はよくそれを買っていた。その中に一度、「うわっ、これ、チャーシューやん!」というのが混じっていた事があったのだ。


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20250912

2000/09/12(火)

 
猫、最後の方はイマイチ。今週は遅番が多くて有難い。早番で帰って来ても疲れていて何もできないから 遅番で午前中に色々しておく方がよい。来期の新入生が書類の茶封筒を抱えて街をうろうろしている。半年毎に新入生、というのは不思議な感じ。
遂にかかとをこする やすり(?)を買った。靴下が脱げない位がしがしだったから。

患者さんに問題爺の作家がいるんだけど、私のことを凄く気に入ってくれている。自立している人なので 私は「お世話」は殆どしていなくて 食事やコーヒーを運んだり ナースコールで行ったりする位なんだけど 「その笑顔がとてもいいから 一日中でもここに居て欲しい」などと言ってくれる。(←日本語にするとあやしいけど ちゃんと礼儀正しい人だよ。何故 問題爺かと言うと 酸素を自分で外して散歩に行っちゃったり、いろいろ好みが激しい。)戯曲が70年代に日本語に翻訳されているんだって。で、今日は名刺をくれて、「どこに住んでいるの?」と聞くから何かと思ったら、その人の隣人が旧市街に素敵なWohnungを貸しているんだって。家賃550マルク位で、家主はよく知っているけど凄くいい人だって言っていた。う゛ー、誘惑。この住宅難のTübingenで、旧市街に500マルク代で住めるなんて!!! でも今の家賃の倍だからなー。断るのが本当につらい。静かで窓からお城が見えて、教会のすぐ近くのとてもいい所なんだって。はあー。誰かと二人で住んだとしても今より水道・電気代分は高くなるし、友達と住むと気儘に勉強できないしね。残念。あ゛う゛ー💧💧💧 がるがる

凄く気の合う看護婦さん二人がいて(同年代)、「幸子がもうすぐいなくなってしまうのは とても残念。凄くいい働きをするのに!」と言ってもらった。これは余り認めたくないけど あの悲惨な営業時代の下働きが役立っていると思う。今の私は重要な仕事というのはできないから、看護婦さんが何か片付けとか雑用をしようとしていたら すぐ 私がやる、と取るし、看護婦さんが手伝いを必要とする時には 自分のは後まわしにして すぐ行くし。実習生なんて所詮 便利屋さんなんだから そうあるべきだと私は思うのね。
でも、今迄は お金をもらう以上は楽しい仕事なんて存在する訳がない、というのが持論だったんだけど、ここにあったわ。今はお金もらってないけど 同じ内容でバイトもできるし、看護婦さんも区別していない(バイトと無給と)。何故こんなに楽しく働けるんだろう、と思ったら 人間関係が円滑だからなんだね。仕事を教わる上司というのはいるけれど、気を使わなくてもいい。勿論礼儀正しくはするけれど、礼儀というのはこちらでは一方通行はあり得ない。こちらがSieでよべば 相手もSieで私を呼ぶ(看護婦さんとはDu)。お医者さんだって手元にポットがあれば 看護婦さんにお茶をついであげるし、何かしてあげればすぐに「Danke!」と返ってくる。ちょっと気をきかせれば「Super!」「Toll!」と称賛される。そしてみんな にこにこしている。特に若くないお医者さんの穏やかな笑顔は日本では少ないかなー。大体笑っていない顔が(私は)浮かぶけど、どう?今の病院は ひとりずつ顔を思い浮かべると みんな笑顔で出てくる。ユーモアのある人が多いし。患者さんとも冗談ばっかり。車椅子で散歩している患者さんにお薬持って行ったら、薬イヤさに「私は○○じゃないよ、彼は病室に寝てる筈」なんて言った人もいたし。退院の時に別れを惜しんで 涙、涙の患者さんも多い。「絶対にあなた達の事は忘れない」「近くへ来たら寄るから」と。凄いことだよねー。

* * * * *

この、お医者さんが看護婦さんにお茶をついであげたの、もの凄いカルチャーショックで、今でも目に焼き付いている。こちらの感覚では、彼の近くにポットがあったのだから、当然の事だったんだけどさ。

ドイツ語にも敬称(Sie、あなた)と親称(du、きみ)があるのだけれど、日本のそれとはちょっと違う。日本なら目下が目上に敬称、目上が目下に親称を使ったりするけれど、ドイツではお互いに同じ称を使い合うの。上下関係ではなく、仲の距離というか、「敬語を使い合う、よそゆきの関係」と「くだけた言葉で話す、家族友達のような関係」を区別する。

「Wohnung」はアパートのこと。寮は水道・電気・暖房代込みだったけれど、アパートに住むと、そういうのも別計算になる。そしてこの作家爺、今思えば、絶対に下心ありありだったわ・・・。


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20250910

2000/09/10(日)

 
今日はお天気がよかったのでNeckarのほとりのベンチで半日過ごした。緑に囲まれて本を読んでいると たとえそれが解剖学の本でも 爽やかーーな気持ちになる。ああ、でも既に骨の立体感が薄れつつある・・・。前は目をつぶると コンピューターの立体図みたいに全方向からの図が浮かんだのに。やっぱり骸骨一体欲しいなー。これから筋肉を覚えるから 全体像を頭の中に叩き込まなくちゃ。
今 漱石の猫を読んでいる。やっぱりうまいねー。これぞ文学、文字を操る価値。しかし今の日本には解説ひとつ書ける人もおらんのか💢という気分。本を読み終わった人に あらすじだの感想文だの読ませてどうする💢 うきーっ ちょっとまともな事が書いてあるなと思うと大岡昇平とか伊藤整とか柄谷行人とか。←まだ生きてる?「今の人」? 中島敦の後で井上靖を読んだら あ、こりゃあかん、売りゃよかった・・・💧 漱石読んでると、記憶している万柳掲載ネタがちょこちょこ出てくる。これは選者の責任だよねー。たまに使い古されたようなネタも載っているし、選者暫く休養・充電した方がいいかも。・・・だからイマイチ常連のようにのめり込めない。作るのは楽しいけど。

* * * * *

何か色々、何様発言してますが、時効という事で(恥)。


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20250909

2000/09/09(土)

 
・・・

またまたみんなが遊びに来れないとは残念。ま、次の機会に、ね。
ところで送金はいつ頃してもらえるでせうか。年内にはしてくれる?こちらでマルク定期 年利4-5%というキャンペーンがあったけど逃したよ。ちっ だって残金そんなに余裕ないもん。

・・・

こっちへ来ると、私達の考え方が普通で、何故それが日本で通らないのか 誰も理解できない。リサさんは日本を知っているから わかるけど、ジェディもハネもキムもアナも。どこにLiebeがあるの?と。私が聞きたいよ。アナと死の医学の話しになって 私達のことを話したら 涙ぐんでいた。私もこちらへ来て、医学を勉強し始めて、実習を始めて、泣いてばかりです。ばあちゃんは私をドイツへ行かせたがらなかったけど、もし私が今 お年寄りにしている事をばあちゃんにしてあげたら どんなに喜んだかなーー、と。患者さんに「今日はお天気悪くて残念だね」と言ったら 「あなたが太陽よ」なんて言ってくれる。ナースコールで行くと、用事が済んでも「もうちょっとここに居て」と言われる。これがばあちゃんだったら、と。そういう不毛な事は考えない、何もやり直しできないからこそ 今 生きているお年寄りに沢山してあげるゾ、と決心したんだけど、なかなか、ねえ。じいちゃんが いまだに医療センターに通っているというのも 目の前が真っ暗になる思いがする。はあ・・・

・・・

寮は汚いけれど安いからねえ。もし縁があって いいWG(Wohngemeinschaft)でもみつかれば引っ越すかも。今 隣室が空いているので、どんな子が越してくるか ちょっと心配。静かな子ならいいんだけど。私にとっては騒音だけが重要問題。今は眠りが浅いからねえ。
体調はよい。生理が最初パタッと止まって その後3週弱周期でくるのが鬱陶しいけど、実習を始めたら めちゃくちゃ軽くなって がんがん働ける。働かなくちゃいけないのを身体が知っているのかなあ。どうも太ったよ。2kg3kg?は太ったんじゃないかなあ。病院で あー、満足、という位食べてるからねえ。でも、お金もらえなくて食券だけだから しっかり食べなきゃ損だし、実際動くからすぐ空腹になる。ジーンズがはけるサイズは保たなくちゃね。お母さんのKENZOのスカートももらいたいし。フフフ。

・・・

今週末はお休み。もらった炊飯器を試してみたら ちゃんと炊けたよ☄ ちょっと水加減失敗したけど。こっちの人はお米とがないし、吸水させないし、蒸らさないけど、その手順を踏んだら ちゃんと粘りのある御飯が炊けた。もらったふりかけでハグハグ食べて、1合位食べてしまった💦 感涙、という感じでは全くなくて、ああ、こんな食べ物があったなあ・・・(遠い目)・・・という状態。病気の時にいいかも。



こちらはもうすっかり寒くなって、朝なんかセーター着てもこごえる位。昼間は暑くてTシャツだけど。
アナはKafkaが好きだって。部屋へ遊びに来て、昔の写真を見せたら「一人の人間の発展の歴史!」と驚嘆していた。(中・高→現在) 昔の写真は本当に暗い顔をしている。名東なんか楽しかったのになー。なんででしょ。
アナも昔と今と全っ然違うよ。キムもそのタイプ。アナがTübingenに入学しないのは本当に本当に残念。凄く心の通うものがあるのになー。Platz-Tauschに応じる人がありますように。
日本からe-mailが英語で届くと、8割は "I'm busy." が入っている。なんか かわいそうになってくる。「忙しい忙しいという人程 何もしない」ってね。でも仕事は不本意でやるから どうしても 'busy' という感覚なんだろうな。私の働いていた時みたいに。今の私はやる事は沢山あっても全然 'busy' じゃない。 ・・・あ、一句できた。でも駄作。

* * * * *

当時の日本は既に、定期預金しても金利1%以下だったので、ドイツの定期預金は凄く魅力的だった。

「WG」はシェアハウスのこと。

当時は図書館にあるコンピューター(白黒画面)で、大学のメールアドレスを使っていたので、日本語が読めなかった。それで、英語やローマ字でやりとりしていた。


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20250908

2000/09/08(金)

 
アナがTübingenではなく Marburgの入学許可を受け取って、二人して大ショック。Marburgの志願者が少なくて まわされちゃったんだろうなあ。Platz-Tauschにかけるしかない。はあーーー・・・

ヘニングと会ってピアノを聴かせてもらった。かなりの難曲を弾きこなすんだけど、惜しいことに心がない。Schimmelの音は初めて聴いたよ。日本では日常的にヤマハ以外は殆ど聴く機会がないもんねえ。感想を聞かれなくてよかった。曲については聞かれたけど。
グリーグ、ショパン、スクリャービン、モーツァルト、バッハ、ベートーヴェン、ラヴェル、ブラームス・・・

* * * * *

前にも書いた通り、アナの成績は満点のようなものだったので、大学も志望が通ると信じて疑いもしなかったのだけれど、成績は合否を決めるだけで、どの大学に振り分けるかはまた別問題だったのだろう。
私はアナによってドイツ生活の楽しさを開眼して貰ったので、新学期からアナがいなくなるというのが、本当に地の底に突き落とされる位の絶望だった。
「Platz-Tausch」というのは、マッチングする相手があれば、大学の席を交換する事ができるの。

Schimmelというのはピアノのメーカー名。ヘニングのピアノに「心がなかった」のは、今思えば当然の事で、彼は入学直前に家族を二人も喪っていたのだ。


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20250907

2000/09/07(木)

 
また一人患者さんが亡くなった。誰も予想していなかった突然のことで、呆然。葬儀社がくる前に基本的な身仕度をさせるんだけど、まだぬくもりがあって なんかまだ生きているみたいな気がして、死というのは瞬間じゃない、というのを納得。ここでは(ドイツ?この病院?)死が生活というか 生きている中の一環として ごく自然に溶け込んでいるのを感ずる。
患者さんに「あなたはいいお医者さんになるよ」と言われると とても嬉しい。お世辞というのは社会の潤滑油かも・・・💧 でも、ま、お世辞にしても 言いたくない人には言わないんだし、と思って有難く聞いています。


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20250905

日付不明

 
ナースコール押しまくりの人は、実は ベッド安静じゃなかった!! 歩くことも トイレへ行くことも許可されていた!! こんな人もいるんだねー。何をわざわざ好んで尿器なんか使いたいかなー。呼びつけられる度に「ちょっとは動かないと筋肉弱るよ」と言ったが ちっともこたえない。私がいない時に「あの日本人の女のコはどこへ行った?」と探していたというから これでも私は優しいのかなあ。うむう。 
薬物中毒の人が入院してきた。クラウディアが「TropenklinikにDrogen」としゃれて喜んでいた。ちょっとイカレた目をしているけど、この程度の顔ならその辺に普通にいるねえ、という感じ。ま、ちゃんと治療中だし。
ちょっとボケた人二人の部屋で、片方が退院となって荷づくりしていたら もう片方もすっかり「旅立ち」の気分になって、二人でよだれかけした儘 ベッドに並んで腰かけて 荷物をかかえていた。ウフフ。「恍惚の人」を改めて読み直してしまった。ああ、日本!!
身内のボケた姿というのは悲しくなるから、かえって他人の方が楽しく世話できるんだろうな。個人の手におえるものでもないし。そうそう、病院でも寝間着は夜だけで、寝たきりの人以外はみんな着替える。自分で着替えられない人は手伝ってでも着替えさせる。気分が違うよね。





* * * * *

そうそう。
当時の日本の病院は、入院したらパジャマに着替え、食事もベッドでというのが普通だった。
それが、この病院で実習を始めてみたら、入院中でも昼間は普通の洋服に着替え、病室にテーブルセットがあって、そこで食事する。(更に軽症で移動に問題がない患者さんは、食堂に食べに行く)。というのに、びっくりしたのだった。

「Drogen」はドラッグのこと。
クラウディアは、この病院を紹介してくれた子。敬虔なクリスチャンだったので、ミッション系(アフリカなど未開の地に行くため、熱帯病にかかる事がままあり、それでTropenklinik)のこの病院を選んだのだと思う。確かお父さんがお医者さんでアフリカに住んだ時期があった関係で飛び級か何かしていて、同級生の中で最年少の十代だった(夏学期始まりだったので、殆どの子が20歳以上)。
オリエンテーションで仲良くなって、初めて寮に招待してくれて一緒にトマトソース・スパゲッティを作ったり、日本では大人になると予防接種の更新をしないと知って「これだけは必要」と受けるべき予防接種のリストを書いてくれたり、この病院に出す志望書や履歴書をチェックしてくれたりした。


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